子どもの独立や結婚…喜ばしいはずなのに疲れる?中高年男性が知っておくべき「ライフイベントとストレス」

長かった子育てもひと段落し、子どもが就職や結婚をして家を出て行く。親としては非常に喜ばしく、肩の荷が下りる瞬間でもあります。しかし、ホッとしたはずなのに「なんだか最近、やる気が出ない」「疲れが取れないし、体調が優れない」と感じている同世代の男性はいませんか?

実はそれ、子どもが巣立ったことによる「ストレス」が原因かもしれません。今回は、中高年男性が直面しやすいライフイベントとストレスの関係について解説します。

嬉しい出来事も実は「ストレス」になる?

一般的にストレスというと「嫌なこと」「辛いこと」を想像しがちですが、心理学や医学の世界では「楽しいこと・喜ばしい環境の変化」に対しても、心身に大きな負担がかかることが分かっています。

アメリカの心理学者ホームズらの研究を基に、日本の勤労者を対象に行われたストレス度の評価によると、基準となる「結婚」を50点とした場合、「息子や娘が家を離れる」という出来事も同じく50点という高いストレス点数がつけられています。

また、子どもの進学、就職、結婚といった自立のタイミングで、自分の役割がなくなってしまったかのように感じ、胸にぽっかりと穴が開いたような虚無感や喪失感に襲われることを「空の巣症候群」と呼びます。かつては母親に多いとされてきましたが、懸命に子育てに向き合ってきた父親であっても、環境の劇的な変化によってこの状態に陥ることがあるのです。

ストレスの「重複」が心身の不調を招く

さらに気をつけなければならないのは、ストレスの総量です。 1年間に体験した出来事のストレス点数を合計し、その数値が高くなるほど、病気に陥る可能性が高まることが指摘されています。

具体的には、過去1年間のストレス合計点数が150点〜299点に達した人の約50%、300点以上に達した人の約80%が、近い将来に何らかの心身の疾患にかかる可能性があると言われています。 日本の勤労者を対象とした調査でも、健常者の年間ストレス合計点数の平均が219点だったのに対し、心身症や軽症うつ病などのストレス関連疾患を受診した人は平均335点と、非常に高い数値を記録しました。

ストレス蓄積による「テストステロンの低下」にも要注意

このようにストレスが重なり、長期間にわたって心身に負荷がかかり続けると、男性ホルモンである「テストステロン」の分泌低下を招ます。

テストステロンが低下すると、気力の減退、慢性的な疲労感、イライラ、不眠、うつに似た症状など、いわゆる「男性更年期障害(LOH症候群)」の要因となります。ライフイベントによる環境変化のストレスが、ホルモンバランスをも乱し、負の連鎖を引き起こしてしまうのです。

ライフイベントが重なる時期は「休息」を最優先に

中高年期は、子どもの独立や結婚だけでなく、自分自身の仕事の環境変化(異動、昇進、定年退職など)や、親の介護など、様々なライフイベントが一気に重なりやすい時期です。

一時的に色々なことが重なり、自分のストレス点数が高くなっている(300点近くになっている)と感じた場合は、何よりもまず休息をとることが重要です。家庭の外に自分の趣味の場を持ったり、パートナーとの何気ない会話の時間も大切になります。

一度ストレスチェックを試してみましょう。現状のストレス状態が数字でわかります。